フィリピンってどんな国？
フィリピンは、7100 以上の島々からなる、インドネシアにつぐ世界第二位の島国国家です。
「世界で一番美しい」とも称されるボラカイ島のホワイトサンビーチや、ビーチリゾートの島として日本でも人気の高いセブ島など、数々の有名な島を有しています。
イスラムをはじめ、スペインやアメリカの影響を強く受けているため、それぞれを象徴する文化や建造物、食べ物などが多く見られるのも特徴です。スペインの植民地だった背景もあり、イスラムや仏教国の多いアジアの中では唯一のカトリック教国です。
世界遺産
フィリピンには、世界文化遺産が3件、世界自然遺産が3件の合計6件の世界遺産があります。
バロック様式教会群
16 世紀のスペイン統治時代に建てられたバロック様式の教会が多く存在しており、中でもパナイ島の「ミアガオ教会」、ルソン島の「パオアイ教会」「サンタ・マリア教会」「サンアグスティン教会」の4つの教会が「バロック式教会群」として世界文化遺産に登録されています。これらの教会は、第二次世界大戦や多くの地震をも耐え抜くほど強固で、「地震のバロック」とも呼ばれています。
コルディリェーラの棚田群
ルソン島北部の中央山岳地帯に広がる世界最大の棚田群として世界文化遺産に登録されています。コルディリェーラ山脈の標高1,000mから2,000mの急斜面に築かれ、壮大で美しい景観は「天国への階段」と称されています。
こちらの棚田を作り上げたのは山岳民族のイフガオ族。約2000年に渡り技術を継承し、作り上げました。手作業でコツコツと積み上げられた田んぼの石垣。そのあぜ道は20000㎞、地球半周分に達すると言われています。
ビガンの歴史地区
ルソン島北部の南シナ海に面する港町。第二次世界大戦でフィリピンの街並みの多くが戦火に巻き込まれ消失した中で、奇跡的にこのビガンの旧市街だけがほぼ無傷で残りました。
かつてスペインの統治下にあった影響でフィリピンや中国の建築様式にスペインやラテンアメリカなどの影響を受けた建築物が並び、凝った造りの家やカラフルな装飾品など、街の色々なところに名残を見ることができ、美しい街並みを作り出しています。
トゥバタハ岩礁自然公園
パラワン島から南東へ約180km沖合に位置し、一帯が珊瑚礁から成る島です。
巨大な珊瑚礁の面積は東南アジアでは最大級で、350種類以上の珊瑚と500種類以上の魚、ウミガメやジンベイザメ、イルカやクジラととても多くの海洋動植物が生息しています。色とりどりの美しい珊瑚礁のまわりを魚たちが泳ぎ回る光景から「海の楽園」とも呼ばれ、世界的にも人気のダイビングスポットです。
プエルト・プリンセサ地下河川国立公園
パラワン島の中央部に位置するセント・ポール国立公園内にある地底川と洞窟。
パラワン島の地下の鍾乳洞を流れる河川で、航行可能な地底河川としては8.2㎞と世界最長です。手つかずの自然が生み出す神秘的な世界は、『新・世界七不思議 自然版（New7Wonders of Nature）』の一つに選ばれています。
ガイドが案内してくれる観光クルーズが人気です。
ハミギタン山地野生生物保護区
フィリピン南部ミンダナオ島南東部のプジャダ半島にある、約2万6千ヘクタールにおよぶ森林保護区です。標高1637mのハミギタン山を最高峰とするこの山岳地帯で、標高差や高温多湿な環境により、多種多様な生物が生息しています。
具体的には、植物が957種に動物が423種の計1380種の動植物が生息しており、うちフィリピンの固有種が341種、ここでしか確認できない生物が8種生息しています。
宗教について
ASEAN では唯一のキリスト教国で、キリスト教が 90％以上を占めています。
アジアの国でありながらキリスト教国になっている背景には、長い間スペインの植民地となっていた歴史があります。
14世紀ごろイスラム商人の影響でイスラム教が広まりましたが、16世紀の中頃にスペインの統治時代が始まり、キリスト教へ改宗され、約330年にわたりキリスト教が広く浸透していきました。
国民の90％以上がキリスト教徒であり、キリスト教に関連する休日が多く、中でもクリスマスは最大の祭日です。9月頃からクリスマスソングが流れ始め、ツリーが飾られ、カウントダウンが始まる事から、「世界で一番クリスマスが長い国」と言われています。
一方でキリスト教への改宗に抵抗した人々はミンダナオ島に移り、今でもミンダナオ島には多くのイスラム教徒が暮らしています。
「ラマダン（断食月）」というイスラム教徒にとって重要なイベントがあり、1ヶ月の間、日の出から日没まで飲食を断ちます。ラマダン（断食）を終えたことを祝うイスラム教最大のお祭り「ラマダン明け祝日」がありますが、この祝日は直前に決まります。
ASEAN 唯一のキリスト教国ということもあり、独自のキリスト教文化とイスラム教の文化が混在しています。敬虔な信者も多く、1日2〜3回お祈りをするという人も多いようです。
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